掲載記事数 |
---|
105記事 |
2025年3月、JSTが運営するJ-STAGEでは書誌XML作成ツールのサービス提供が終了します。この移行期間において、利用機関の皆様がスムーズに全文XML作成ツールへ移行できるよう、必要なスケジュールと手順について詳しくご案内されておりますが、本記事では、J-STAGEサービス終了までの具体的なスケジュールやサポート情報をまとめ、円滑な移行をサポートするためご案内しております。
書誌XML作成ツールのサービス終了の背景と概要
書誌XML作成ツール サービス終了に至った経緯
J-STAGEによると書誌XML作成ツールは、リリースから10年以上にわたって学術情報の登載に使用されてきました。
しかし近年、以下の理由からサービス提供の継続が困難となり、J-STAGEは書誌XML作成ツールのサービス終了を決定しました。これに伴い、利便性と効率性に優れた全文XML作成ツールへの移行が推奨されています。
J-STAGE 書誌XML作成ツールのサービス終了理由(JSTより)
- システムの制約:システムの古さや制約が原因で機能の拡張や保守が難しくなっている。
- UIの陳腐化:現行のユーザインターフェースが最新の技術やUXに対応していない。
- 全文XML作成ツールの登場:PDFファイルから書誌情報を抽出し、書誌XMLファイルを作成する機能を持つ「全文XML作成ツール」が提供され、より効率的な作成手法が確立された。
サービス終了に伴う影響範囲
書誌XML作成ツールのサービス終了に伴い、利用機関の皆様には「全文XML作成ツール」への移行が推奨されます。移行に際しては、アカウントの利用制限やデータ作成方法の変更が必要となる場合があります。
ただし、書誌XMLそのものが廃止されるわけではありません。J-STAGEでは引き続き、作成された書誌XMLファイルをアップロードすることが可能です。
これにより、すでに書誌XML作成ツールで作成済みのデータや、別の方法で生成された書誌XMLをJ-STAGEに投稿することが継続して可能です。
つまり、サービス終了後も書誌XML形式はサポートされ、移行後もアップロード可能です。「全文XML作成ツール」を使用することで、これまでの書誌XML形式に対応したデータ作成が可能ですので、移行後も安心してご利用いただけます。
重要なポイント
- 書誌XML作成ツールは終了しますが、書誌XML形式のアップロードは今後も可能です。
- 「全文XML作成ツール」を活用することで、書誌XMLファイルを作成できます。
サービス終了までのスケジュール
サービス終了に向けた主要なスケジュールは、以下の通りでご案内されております。特に、2024年11月14日以降の新規利用制限や、2025年3月中の完全終了日については、利用している学協会の皆様も、十分な注意が必要になったまいります。
日付 | 内容 |
---|---|
2024年2月7日 | サービス終了の告知。移行に関するサポート情報を公開開始 書誌XML作成ツール サービス提供終了のお知らせ |
2024年6月4日 | 「全文XML作成ツール」を使用した作成方法の動画を公開 |
2024年9月2日 | J-STAGEオンライン説明会でのデモ動画およびQ&A公開 |
2024年11月8日 | 2024年11月14日以降の書誌XML作成ツール利用制限の告知 |
2024年11月14日 | 新規アカウントによる書誌XML作成ツールのログイン制限を実施 |
2025年3月中 | 書誌XML作成ツールのサービス提供を完全終了 |
重要な日程をお見逃しなく!
- 2024年11月14日以降、未使用のアカウントでは書誌XML作成ツールにログインできません。
- 2025年3月中のサービス終了に伴い、移行の準備をお早めにお願いいたします。
全文XML作成ツールへの移行の進め方
書誌XML作成ツールの終了に向け、利用機関におかれましては「全文XML作成ツール」への移行が必要です。移行には以下の手順で進めるようにご案内されております。
移行前に必要な準備作業
使用環境とアカウントの確認
2024年11月14日以降は、書誌XML作成ツールに新規アカウントでのログインが制限されます。移行対象となるアカウントは早めに確認することが必要です。
全文XML作成ツールで書誌XMLを作成する方法
- PDFからの書誌事項抽出方法
PDFファイルを全文XML作成ツールにアップロードし、書誌情報を抽出します。PDFファイルを使うことで、著者情報や論文の要約を自動で入力することが可能です。 - Wordテンプレートの使用とスタイル設定
Wordファイルをアップロードすることで、必要な書誌XMLデータを構築できます。テンプレートのスタイルを用いることで、正確に抽出できるデータが得られるため、移行作業が簡便になります。 - 2024年2月7日公開:全文XML作成ツールによりPDFファイルを元に書誌XMLファイルを作成する方法を、以下にてJSTよりご紹介しております。
→全文XML作成ツールによる書誌事項のみの登載について(PDF:997KB)
移行に向けたサポート情報
J-STAGEは、科学技術情報発信・流通総合システムとして、利用機関を支援する様々なサポートコンテンツを提供しています。2024年に公開された主要なサポートコンテンツとアクセス方法は以下の通りです:
操作動画
2024年6月4日には、全文XML作成ツールを使用して書誌XMLを作成する方法を解説した動画が公開され、視覚的に理解する手助けとなっています。動画の検索方法や視聴方法については、「J-STAGEの論文の動画活用術」で詳しく説明されています。
オンライン説明会の録画
2024年9月2日、J-STAGEオンライン説明会の録画が公開され、操作手順のデモンストレーションや質疑応答の内容を閲覧できます。これにより、他の利用者の質問や回答も確認できます。
これらのサポートコンテンツはJ-STAGE公式ウェブサイトで公開されており、J-STAGE全文 XML利用者向けマニュアルからアクセス可能です。
今後のスケジュールと対応まとめ
サービス終了に向けたスケジュールを再確認し、今後の対応を計画的に進めましょう。
今後のスケジュール
- 利用制限(2024年11月14日~):書誌XML作成ツールへの新規アカウントの制限が始まります。早めの移行準備が必要です。
- サポート情報の利用(随時):サポート動画や説明会を利用して、全文XML作成ツールの利用方法を学ぶ必要があります。
- サービス終了(2025年3月):書誌XML作成ツールのサービス提供が完全に終了します。終了日以降は全文XML作成ツールをご利用ください。
まとめ
サービス終了に向け、J-STAGEでは移行に必要なサポート情報を順次公開しています。早めの移行準備とスケジュール確認を行い、2025年3月までに全文XML作成ツールの利用に移行してください。
参考
J-STAGE. (n.d.). 2025年3月に書誌XML作成ツールのサービス提供を終了します。 Retrieved November 18, 2024, from https://www.jstage.jst.go.jp/static/pages/pub_Announce20240201/-char/ja
J-STAGE. (2024). 2025年3月に書誌XML作成ツールのサービス提供を終了します。 [PDF file]. Retrieved from https://www.jstage.jst.go.jp/static/files/ja/pub_Announce20240201.pdfJ-STAGE. (2023年10月10日).
全文XML作成ツールを用いた書誌XML形式の公開用データ作成方法 [Video]. YouTube. https://www.youtube.com/watch?v=411PQOIXp-0J-STAGE. (2024年5月31日).
2024年6月24日開催 第1回J-STAGEオンライン説明会(全文XML作成ツールを使用した書誌XMLデータ作成) [Video]. YouTube. https://www.youtube.com/watch?v=M1_N6u0NfGY
J-STAGE. (2024). 2024年6月24日開催 第1回J-STAGEオンライン説明会(全文XML作成ツールを使用した書誌XMLデータ作成):サポート資料 [PDF file]. Retrieved from https://www.jstage.jst.go.jp/static/files/ja/pub_Announce20240201support.pdf
学術情報発信ラボ 執筆・編集チーム
学術サポートGr.
学術情報発信に携わる編集チームとして、長年にわたり学術出版に関する深い知識と実績を有する。国内の数十誌にわたる学術雑誌の発行サポート経験を活かし「学術情報発信ラボ」の執筆チームとして、研究者や編集者に向けた最新のトピックや、研究成果の迅速な発信に貢献する情報を発信している。
専門分野は学術出版、オープンアクセス、学術コミュニケーションであり、技術的な側面と学際的なアプローチを交えた解説が特徴。