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ご注意
2021年以降、GRIDの公開リリースは停止されました。研究機関管理を主導している識別子「ROR」が成熟し、GRIDの役割を引き継ぐため公開を終了しました。
最新の進捗状況については、CrossrefやRORの公式サイトで最新情報をご確認ください。
Global Research Identifier Database (GRID)は、世界中の教育機関や研究機関を識別するために設計されたデータベースです。各機関に固有の識別子(GRID ID)を付与し、学術機関の情報を一元化しています。本記事では、GRIDの概要、機能、現状、および後継のResearch Organization Registry (ROR)との違いについて詳しく解説します。
目次
- 1. Global Research Identifier Database (GRID)とは
- 1.1. GRIDの概要と役割
- 1.2. GRIDの運営組織と歴史
- 2. GRIDのデータベース構成
- 2.1. 機関の種類と情報
- 2.1.1. 地理座標と位置情報
- 2.1.2. 公式ウェブサイトやWikipediaリンク
- 2.1.3. 機関名の異表記対応
- 3. GRIDの利用と可用性
- 3.1. 公開リリースとライセンスの歴史
- 3.2. データの利用方法
- 3.3. データフォーマット(JSON、CSV、RDF)
- 4. GRID IDとRORの違い
- 4.1. 運営主体の比較
- 4.2. ライセンスと現状
- 4.3. 識別子の形式(GRID IDとROR ID)
- 5. GRIDの現状と今後の展望
- 5.1. 公開リリース中止とその理由
- 5.2. Research Organization Registry (ROR)への移行と影響
- 6. まとめ
- 7. 参考
Global Research Identifier Database (GRID)とは
GRIDの概要と役割
Global Research Identifier Database (GRID)は、学術機関を一意に識別するために開発されたデータベースです。
教育機関、研究機関、政府機関、非営利団体など、幅広い研究機関に対して固有の識別子を提供することで、学術情報の整理と共有が効率的に行われるようになりました。
GRIDの運営組織と歴史
GRIDは、Digital Science & Research Solutions Ltd.によって2015年に開発されました。2016年12月にCC0ライセンスの下で公開され、ユーザーが自由にデータにアクセスし利用できるようになりました。しかし、2021年を最後にGRIDの公開リリースは停止され、後継のRORに役割が引き継がれています。
GRIDのデータベース構成
機関の種類と情報
GRIDは、大学、研究機関、政府機関、企業、非営利団体などの多様な組織を含みます。
各機関に対して一意のGRID IDが割り当てられ、このIDを通じて機関の詳細情報にアクセスできます。
地理座標と位置情報
各機関の所在地は、地理座標を用いて正確に記録されています。これにより、地理的な研究機関の分布や位置関係を可視化しやすくなっています。
公式ウェブサイトやWikipediaリンク
GRIDには、各機関の公式ウェブサイトや関連するWikipediaページへのリンクが含まれており、外部のリソースへ迅速にアクセスすることが可能です。
機関名の異表記対応
異なる表記や名称が存在する場合でも、一つの機関を正確に識別するため、GRIDは複数の表記に対応したデータを提供しています。
GRIDの利用と可用性
公開リリースとライセンスの歴史
GRIDは2015年に初めてリリースされ、2016年12月にCreative Commons CC0ライセンスの下で公開されました。
このライセンスにより、データは著作権の制限なしに自由に利用することができました。
データの利用方法
GRIDのデータは、研究機関の識別や、学術出版物の著者の所属機関を確認するために利用されます。特に、学術情報の管理や分析において重要な役割を果たしました。
データフォーマット(JSON、CSV、RDF)
GRIDは、JSON、CSV、Resource Description Framework (RDF)という形式でデータを提供していました。これにより、データは様々なシステムやアプリケーションで柔軟に利用可能です。
GRID IDとRORの違い
運営主体の比較
GRIDは、Digital Science & Research Solutions Ltd.が管理していましたが、2021年以降は新たなデータの更新が停止されています。
一方、Research Organization Registry (ROR)は、CrossrefやDataCiteなどの団体によって運営され、引き続きアクティブに更新されています。
ライセンスと現状
GRIDとRORはいずれもCreative Commons CC0ライセンスの下で提供されていますが、RORはより広範囲な学術機関に対応しており、月に1度以上の定期更新が行われています。
識別子の形式(GRID IDとROR ID)
GRID IDとROR IDの形式の違いを表形式で比較すると、以下のとおりです。
特徴 | GRID ID | ROR ID |
---|---|---|
形式 | grid.123456.c7 | https://ror.org/123456789 |
長さ | 可変長 | 固定長(9桁) |
プレフィックス | grid. | https://ror.org/ |
文字構成 | 英数字とピリオド | 英数字 |
URL形式 | なし | あり |
直感性 | 低い | 高い |
GRIDの現状と今後の展望
公開リリース中止とその理由
2021年以降、GRIDの公開リリースは停止されました。これはGRIDが、コミュニティ主導の識別子「ROR」が成熟し、主要な組織識別システムとして役割を引き継ぐため、公開を終了しました。これにより、データの新規更新が行われなくなっております。
Research Organization Registry (ROR)への移行と影響
Research Organization Registry (ROR)は、GRIDの後継システムとして登場し、より広範な学術機関に対応しています。RORは、コミュニティ主導で開発・運営され、最新の学術機関情報を提供するため、学術出版や研究活動においてますます重要な役割を担っています。
まとめ
GRIDは、世界中の学術機関を識別するための画期的なデータベースとしてスタートしましたが、2021年の公開リリース中止により、その役割はRORに引き継がれました。
RORは、より多くの機関をカバーし、最新のデータを提供するため、学術コミュニケーションの中で重要な存在となっています。今後も学術機関の透明性と識別の重要性が高まる中で、RORの利用が広がっていくことが期待されます。
参考
- Research Organization Registry (ROR). (n.d.). Retrieved October 3, 2024, from https://ror.org/
- Global Research Identifier Database (GRID). (n.d.). Retrieved October 3, 2024, from https://www.grid.ac/
学術情報発信ラボ 執筆・編集チーム
学術サポートGr.
学術情報発信に携わる編集チームとして、長年にわたり学術出版に関する深い知識と実績を有する。国内の数十誌にわたる学術雑誌の発行サポート経験を活かし「学術情報発信ラボ」の執筆チームとして、研究者や編集者に向けた最新のトピックや、研究成果の迅速な発信に貢献する情報を発信している。
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